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介護のお題 「大震災」

何とか復旧がひと段落。

こういうとき、老人ホームが受けるダメージはいろいろなものがあるのだと感じました。

ライフラインでは断水が大変でした。まず、暖房が使えない。

施設は冷温水機というボイラーでエアコンにお湯を供給するタイプ。断水していると使えないのです。

夜は真冬の寒さ。室温は10度以下になりました。

水が使えないと、清拭が使えない、食器類を塩素消毒できない、水が飲めないなど様々な不具合が出ています。

特に水が飲めないのが怖かった。お年寄りはただでさえ水を飲みたがらないのに、さらに物理的に飲めないとなると、寒さや食事量減少もあいまって脱水の危険が高くなるからです。

次に食料。スーパーは閉店。業者も来れない。施設に蓄えてあった非常食を小分けにして食いつなぐ。

食事の量は粥とおかずをあわせても手のひら一つに乗る程度。低栄養になる可能性を心配していました。そして食事形態も軽く刻んだだけ。ミキサー食の方へは命がけな食事です。

このときに助かったのが、施設を以前利用していたご家族からの支援物資。ゼリー飲料や高栄養飲料を大量にいただいた。摂取量が少しでも少なければ、積極的に補食できて助かりました。

職員も避難している人が出たり、ガソリンが足りず出勤できないなどで人手が不足することを予測しながら、なんとか介護業務を回す日々。

紙おむつも節約しながら、毎日ひっそりと生きる為に力を注ぐ。そんな生活でした。

こんな時に現れるのが「人柄」その人そのものの本性が見えてきました。

こんな時はどんな人も協力してくれると思っていました。しかし、それは違うのだと感じました。

日ごろ現場に出ない看護師さんは、こういうとき何もできないのです。でも勇気を持って介護側を手伝いたいと手を挙げて手伝ってくれた方は1人しかいませんでした。

事務所にいるお偉いさんは、現場に来て指揮をとることはしませんでした。いつも通り、現場責任者の私たちに大雑把な指示を出すだけ。

もちろん、職員も被災者だから良いとも悪いとも言えませんが、もっと休みたいというパートさん、近くなのにガソリン切れでこれないという職員、時間があるのに利用者に寄り添わないで私語をしゃべる職員同士。

身を削って施設やお年寄りのためにがんばる人と、自分や自分の家族のことを優先させる人。その狭間でなんとか入所者の命を守り、健康を崩さないように配慮することの難しさを感じた20日間でした。

被災した福祉保険施設の方々。私の施設よりひどい状況のところも多く、そのご苦労と悲しみ、怒り、お察しします。こんな時、同じ福祉の人間として自分の施設を守ることしかできないことに、力のなさを感じます。

どうかもう少し耐えてください。そして、いつもの笑顔あふれる日常が戻りますように祈っております。

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